日本国民全員に10万円給付金!わーい。 ところで国民全員って海外に住んでいる日本人は対象なの?
という疑問を深堀りします。
いまのところ、20年4月27日時点で住民票が日本にない海外在留邦人は10万円支給の対象ではありません。
ちなみに2008年のリーマンショックのときの給付金は海外在留邦人には支給されませんでした。
税金と予算の関係に詳しい夫にたくさん質問して、駐妻のわたしでもわかる凡人解説に書き換えました。
※まだ不透明な部分も多いためこれから変更になる可能性があることはお許しください。
10万円給付金とは?
先日こんなニュースがありました。
10万円給付を海外在留邦人にも、自民議員グループが提言https://t.co/koSk3quNx1
現状の給付対象者は今月27日時点で住民基本台帳に記載されている人に限られ、海外に住む日本人は対象外となっています。#新型コロナウイルス
— 産経ニュース (@Sankei_news) April 26, 2020
なぜこのような議論が起きるのか下記3点について深堀りしていきたいと思います。
順番に調べてみました。
10万円給付の財源とは?
そういえば10万円ってどこからくるの・・?
答えは国債。つまり国の借金によってカバーされるよ。
新規発行の国債で賄うことになっています。
10万円給付って財源はどうなっているんだろうと思ってくわしく調べてみました。
財務省発行の令和2年度補正予算(第1号、特第1号及び機第1号)等の説明から、10万円給付の歳出は約12.8兆円であることがわかります。
※財務省HPより作成
【生活に困っている人々への支援】という名目で国家予算に新たに追加されたってわけです。
ひえー。国民全員×10万円+配布するためのコストが約12.8兆円!
さらにさらに・・
財源は、補正予算のフレームをみると全額が新規国債発行であることがわかります。
※財務省HPより作成
公債金って新規国債のことだよ。つまり、ただの借金・・。
国債なんて俺たちは借金したつもりはない、ただの政府の借金であって、国民の借金ではないという主張をされる方もいるようですが、果たしてこの主張は正しいと言えるでしょうか?
国債はだれの借金なのか?
でも、国債は政府の借金であって国民の借金ではないでしょ?
うーん・・じゃあその借金ってだれが返すの?
令和2年度の本予算を見てみましょう。(出所:財務省「令和2年度予算のポイント」)
左側の歳出をみてください。
これが国が今年度使う予定のお金ですね。
補正前の約103兆円あった令和2年度当初予算の約22.7%が国債費、つまりすでに過去発行した国債の返済に充てられる費用です。
ではこの財源はなんでしょうか。
右側の歳入をみてください。これが国のお給料に相当するものですね!
国税等で約61.9%、約31.7%が新規国債発行によるものだと読み取れますね。
国税は国に納められるもの、地方税は地方自治体に納められるもの。 例 国税 : 所得税や法人税、消費税など 地方税 : 住民税、固定資産税など
つまり、結局は国税収入が歳出予算に充てられているわけですし、国債の返済にもあたっているわけです。
新しく発行した国債の分の借金を返すのは国税なわけだ・・。
政府の借金という整理をしても、国民の借金という整理をしても、結局国税で返さなければならないことに変わりありません。
知らないうちに、毎年わたしたちの税金から借金返済してたのか・・。
今回発行した新規国債は、未来のわたしたちが税金で支払うことになるでしょう。
海外在留邦人は対象なのか?
海外に住む日本人は給付金10万円を貰えるのか?という点について考えてみましょう。
総務省のHPの特別定額給付金(仮称)の概要をみると、給付対象者及び受給権者は下記です。
つまり、4月27日時点で住民票がある人に限るということです。
海外にいる約139万人の「わが国の領土外に在留する邦人(日本人)」は対象外ですね。
(2018年10月1日時点 出所:外務省「海外在留邦人数調査統計」)。
がーん・・
10万円給付金 海外在留邦人にも配布されるべき?
どれほどの割合かはわかりませんが、日本の企業から派遣されている駐在員の方も多いと思います。
駐在員の多くは日本の所得税などの国税を支払っています。
先に述べたように、将来的に国債の返済(=国債費)として実質的に増税されるでしょう。
増税の方はもれなく海外在留邦人も対象・・ぴえん。
10万円給付なしに12.8兆円分の将来の返済を薄く負担する、という構造は近い将来また日本に帰ってくる駐在員には不平等感が否めません。
住民税と給付金の関係
でも、海外に住んでいるひとはやっぱり住民税払ってないじゃん。 10万円給付をもらう資格はないでしょ?
たしかに、非居住者の場合、日本に住民税はおさめません。
でも10万円の給付金の財源となる新規国債に住民税は直接関係がないのです。
給付金の出どころである国債には住民税は使われてないってこと?
基本は。そして、給付金を国民にくばるときの公務員の作業費などの事務費用が各都道府県の地方税(=住民税)から一部支払われるよ。
確かに住民税で給付事務の費用が賄われる部分もあるにはあると思いますが、海外で受け取れるのであれば在外公館(大使館や領事館)でもらうことになると思います。
ほお。じゃあもし海外にいる日本人にもお金をくばるってなったらどうするの?
海外の場合は、その国の大使館や領事館がその作業をする見込み!
そこでのポイントは在外公館予算は国税でまかなわれているということです。
そうなると、やはり国税を払っていれば受給対象になるのでは?と思います。
また、給付事務の事業費に対する補助も12.8兆円の内数であれば、住民税を支払っていないことは論点とは違うかなーと思います。
海外在留邦人が給付金10万円をもらえなくても仕方ないケース
ですが、もちろん例外になるケースもあるかと思います。
例えば、私がもらえなくても仕方ないかなあと考えるケースは以下のようなひとたちです。
「国税を収めていない」といえば、非課税世帯も収めていないです。
ですが、彼らはもらう権利があると考えるひとが多いでしょう。
そういう意味で言うと、やはり「生活に困窮しているか」もポイントになると思います。
アメリカ、ニュージーランド、ドイツなどの限られた一部の国では外国人が給付金を貰えることもあるようです。
ただし、ビザや収入などにより対象者はかなり絞られるようですが、在住国で給付を受けている場合は二重取りになるので対象外でもいたし方ないかな、とは思います。
10万円給付金 まとめ
これはあくまで個人的な意見で、反論もあるかと思います。
そもそも個人的には「全国民への給付金10万円の配布」は不要だと考えています。
ただ、もし配るのであれば公平性の観点から、ぜひ海外駐在員も対象として盛り込んでもらえることを期待したいですね。
もし、共感してくれる方がいたら嬉しいです。
参考までに10万円給付金に海外在住者も含めてもらう活動をしているひともいます。
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